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2020年12月10日

AlderLake-Sのbig.LITTLE構成はスマートフォン向けのSoCとは違って論理コアを増やす為の仕組み

◇Intel、2021年にCore/Atom両系統のCPUを搭載したクライアントPC向けCPU「Alder Lake」を投入へ
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1270784.html

Alder Lake-Sは、Rocket Lake-Sの次の世代であるので、2020年12月の時点ではあまり情報がありません。しかし、インテルが発表した内容からAlder Lake-Sが従来のプロセッサとは違うアプローチを取っているプロセッサである事が垣間見えます。

現在、Alder Lake-Sで分かっている事は、ビッグコアにGoldenCove、スモールコアにGracemontを各8コアずつ搭載したbig.LITTLE構成である事です。big.LITTLE構成は、モバイルプロセッサ「Lakefield」でSunnyCove 1コア、Tremontコア4コアで既に製品になっています。Lakefieldは、高負荷時にSunnyCoveが処理を行い、低負荷時には4つのTremontコアで処理をするというスマートフォンのSoCでお馴染みの動作になっていて、低消費電力端末向けに作られています。
一方で、Alder Lake-Sは、Lakefieldとは違って、スマートフォンのSoCのような動作も出来るけれど、もっとパフォーマンスを出す為にスモールコアを論理コアの扱いで動作させるというアクロバティックな方法になるようです。


コドリ氏は「Alder Lakeでは次世代のハードウェアスケジューラが搭載され、すべてのコアがシームレスに動くようになる」と述べ、どちらかといえば2つのコアが省電力方向に利用されているLakefiledとの大きな違いになる。


この言葉の意味は、Alder LakeはカーネルのCPUスケジューラーでは無く、ハードウェアスケジューラでコントロールすると明言しているので、OS側の影響は案外軽微なのかもしれません。そして、ラジャ・コドリ氏は、「すべてのコアがシームレスに動くようになる」と言っています。これは、マルチスレッド性能が必要な時には、全コアが動作する事を示しています。
シングルスレッドが高いと思われるGoldenCoveはCove系コアであるので、どうしても大きなコアになり、これでは消費電力面や製造プロセス面でコアをたくさん設置する事は難しく、マルチスレッド性能を稼ぐ事は難しいです。AMDのRyzenはCCXとInfinity Fablicによって、CCXを増やす事でコア数を増やす事に成功していますが、これはTSMCの製造プロセスが大きく寄与しているから出来ています。
インテルの場合は、10nm以降の自社プロセスが遅延していた為、デスクトップ向けのプロセッサは14nmのままです。Alder Lake-Sでは10nmプロセスが成熟していますが、AMDのようなCCX追加策によるマルチスレッド性能向上のようなアプローチは難しいでしょう。そこで、Alder Lake-Sで考え出されたのが、「スモールコアをたくさん積んで論理コア扱いで使って、マルチスレッド性能を高めよう」というものです。
スモールコアであるGracemontはSandyBridge以上の性能があるAtom系コアで、Cove系コアと比べて消費電力が低く、サイズも小さいのが特徴です。これを論理コアとして使う事で、ビッグコアであるGoldenCoveが8コア16スレッドしかなくても、Gracemont8コアを追加する事で、「8コア24スレッド」を実現するというのが、Alder Lake-Sのアプローチのようです。
これが成功すると、AppleのM1並に今までのプロセッサの発想ががらりと変わる可能性を秘めています。ビッグコアはシングルスレッド重視にし、その代わり、製造プロセスの向上とスモールコアの大量搭載によってマルチスレッド性能を高めていく事が可能になるわけです。
CCXの追加とCCXの構成の変更でがんがんマルチスレッド性能を高めていくAMD、ビッグコアでシングル性能を高めつつ、スモールコアを追加していく事でマルチスレッド性能を高めていくインテル。
x86系プロセッサでも、面白い技術バトルが見られるようになって良いですね(^^)

posted by takatan at 00:05| 大阪 ☀| PC and Phone | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする