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2020年06月23日

Apple A12Z Bionicとスパコン「富嶽」から見るArm系プロセッサのパフォーマンス向上

2020年以降は、Arm系プロセッサが様々な業界により大きな影響を及ぼす可能性が出てきました。
Appleは、2020年末にArmベースの独自プロセッサを搭載したMacを発売開始し、日本の理化学研究所のスーパーコンピューター「富嶽」は、Armベースの富士通のSoCを搭載し、2020年6月のTOP500で首位になりました。x86系のプロセッサがこれらの分野ではよく使われてきましたが、マシンが高性能化すると共に、消費電力の低下がどの分野にも必要になってきています。
Appleの新型Mac向けのArm系SoCや富嶽に搭載されているA64FXは、今までのArm系プロセッサの常識を覆す存在になりつつあります。

◇Armベースのスパコン「富岳」TOP500で世界1位獲得
https://japanese.engadget.com/arm-super-computer-fugaku-top-500-034015910.html

◇速報:アップル、Macの独自チップ移行を正式発表。初のARM版Macは年内 #WWDC20
https://japanese.engadget.com/apple-184744532.html

Appleだけでなく、MicroSoftもノートパソコン「Surface Pro X」にArm系SoCである「SQ1」が搭載されており、Appleと同じアプローチでArmネイティブで動作するアプリと従来のx86系プロセッサ向けのアプリをある程度バイナリトランスレータで動作させる事が出来るようになっています。

◇Surface Pro X
https://www.microsoft.com/ja-jp/p/surface-pro-x/8vdnrp2m6hhc

IntelのCore iやAMDのRyzenとは違って、多くのArm系プロセッサは低消費電力を重視した設計になっています。しかし、スマートフォンやタブレットなどのモバイル分野において、ゲームやブラウザや各種エンターテイメント向けのアプリは性能を必要としています。その結果、Qualcommなどの大手半導体メーカーは、Arm系SoCのワットパフォーマンスをどんどん向上させ、ついに業務用サーバ用途でも耐えられるぐらいの性能を実現出来るようになっています。Core iやRyzenとは、全く異なるアプローチでRISCチップとして進化してきたArm系プロセッサは、いよいよデスクトップ分野やスパコン業界にまで勢力を伸ばしてきました。
Appleの新OS「macOS Big Sur」と独自Arm系SoC、バイナリトランスレータ「Rosetta2」の組み合わせは衝撃的で、x86系のゲームアプリをスムーズに動作させるぐらいまでの性能を見せています。Appleの商品展開は、数年Intelのプロセッサを搭載したMacとArmベースのMacを併売していくそうですが、主要なアプリがArmベースのMacに完全移行するのはそれほど時間がかからないのではないかと思います。尤も、Intelにとって、Appleが自社SoCへの切り替えは、Macの現在のシェア(全体の9%ほど)を考えると、10数年前に比べて、それほど大きな痛手にはならないでしょう。

◇世界のPC、4台に1台は依然としてWindows 7 - 2月OSシェア
https://news.mynavi.jp/article/20200303-986236/

富嶽に関してですが、現在新型コロナウイルスの研究に使われています。

◇オフィスの飛沫対策、仕切り板は床から140センチ以上で直撃防ぐ…スパコン「富岳」予測
https://www.yomiuri.co.jp/science/20200620-OYT1T50235/

富嶽は元々2021年に運用開始予定でしたが、新型コロナウイルスの研究に活用する為、一部を先行して試験運用しています。つまり、まだ富嶽は100%の性能を出しておらず、フル稼働すれば、前機種の「京」の100倍の処理能力を引き出す事が出来ます。今回富嶽は、TOP500でトップになりましたが、来年には更に大幅なスコアアップが期待出来ます。

サーバやスパコン分野は、IntelのXeonやAMDのEPYCやArmが主軸になっていますが、オープンソースのRISC-Vもかなり不気味な存在です。RISC-Vが商業的に使える物になれば、今までの概念を変えてしまう可能性も十分にあるでしょう。
posted by takatan at 15:16| 大阪 ☀| PC and Phone | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月22日

【AMD・Ryzen】Jim Kellerを神格化しているけれど、Zne2を生み出したのは現在のAMDのプロセッサ開発チームの功績

Jim KellerがRyzenコアを設計したなどとメディアがやたら報じた為に、Jim Kellerを神格化する人が多いけれども、現在人気のある第三世代Ryzenに導入されているZen2アーキテクチャーは、明らかに現在のAMDのプロセッサ開発チームによる功績でしょう。現在のAMDのプロセッサ部門の最高責任者は、IBMのPOWERやPowerPCの設計を統括していたMark Papermasterです。この人の役割が現在のRyzenの快進撃を支えているのは間違いありません。

◇AMDの公式ページによるMark Papermasterの紹介
https://www.amd.com/ja/corporate/leadership-mark-papermaster

Zen2を生み出したのは、AMDのプロセッサ開発チームの功績という根拠は、もうZen2の性能アップを見ても明らかで、Ryzenの弱点であるシングルスレッド性能の弱さを改善したのは、TAGE分岐予測技術を導入したからです。この導入を主導したのは、Mark Papermasterでしょう。ちなみに、Intelのプロセッサのシングルスレッド性能が今まで高かったのは、このTAGE分岐予測技術をHaswell世代で導入しているからです。恐らく、その辺もAMDの開発チームは研究していたのでしょう。

◇AMDがZen 2で採用した現在最強の分岐予測「TAGE」
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/1192296.html

Zen2以降のRyzenの開発の重要人物は、Jim Kellerではなく、Mark PapermasterとAMDシニア・フェロー設計エンジニアのMike Clarkという事を覚えておくと良いでしょう。

◇明るいAMDの未来:今後の行方
https://www.amd.com/ja/partner/amd-future-bright

上記の「Ryzenプロセッサー:その1年後」ビデオで、 AMDシニア・フェロー設計エンジニアのマイク・クラーク(Mike Clark)が、エンジニアリングチームと共に同氏がすでに「Zen」の5回目の設計反復作業を進めていると話しています。

posted by takatan at 12:11| 大阪 ☁| PC and Phone | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月16日

RocketLake-SのCPUコアの開発コード名は「Cypress Cove」と呼ばれているらしい

◇Intel "Willow Cove" Backported to 14nm is "Cypress Cove"?
https://www.techpowerup.com/268511/intel-willow-cove-backported-to-14nm-is-cypress-cove

◇Intel Cypress Cove Leak: Rocket Lake Blasts past Comet Lake, but what about AMD Zen 3?


デスクトップ向けの第11世代Core iシリーズとなるRocket Lake-Sのリーク情報がぼちぼち出てきているようです。TECHPOWERUPの記事によると、Rocket Lake-SのCPUコアは、インテル内部では「Cypress Cove」という開発コードネームで呼んでいて、TigerLakeのCPUコア「Willow Cove」とは使い分けています。
Cypress Coveは、Willow Coveの14nmプロセスへのバックポートであり、半導体の規模の関係からWillow Coveのフル機能を搭載出来ない為、このような名称の使い分けをしているのでしょう。キャッシュなどの構成がIceLakeのSunnyCoveに似ている事から、IPCの向上はSkyLake比で15%〜18%ぐらいになると思われます。但し、IPCが向上しても、Cove系アーキテクチャーを14nmにバックポートするので、クロック周波数がCometLake/CoffeeLake R相当に維持出来るのかが性能向上の鍵になりそうですが、CometLakeを見るとなかなか難しそうです。もし、同じぐらいのクロック周波数が出せれば、CometLakeやCoffeeLake Rよりも15%〜18%のシングル性能を伸ばせるでしょう。
最大コア数は、8コア〜10コアで噂されている振れ幅はありますが、8コアの可能性が高いそうです。デスクトップ用途では、8コア16スレッドでほぼ間に合うので、それ以上のコアが必要なら、従来通りHEDT分野に割り振った方が良さそうですね。
内蔵GPUの方も、TigerLakeに搭載されている「Xe」が搭載される予定です。こちらは、10nmのuncoreダイが使われるようで、CPUコアとはMCM構成となります。但し、フルスペックの96EUよりも少なくなる可能性が高いです。

◯現在までに出てきたリーク情報から考えられるRocketLake-Sのスペック
・14nmプロセス
・最大8コア16スレッドから10コア20スレッド、但し、8コア16スレッドが最大である可能性が高い
・CPUアーキテクチャーはCypress Cove(WillowCoveの14nmバックポート版、キャッシュ構成はSunnyCoveに近い)
・内蔵GPUはXeアーキテクチャー(最大EU数はフルスペックの96EUよりも少ない32EU)
・14nmのCPUダイと10nmのuncoreダイによるMCM
・PCIe 4.0対応

◇8コア16スレッドの初期ES品のベンチマーク
8C/16T 1.8GHz base



8C/16T 3.2GHz base/4.3GHz max


◯Rocket Lake-S 8-core/16-thread Processor Engineering Sample Spotted in 3DMark
https://www.guru3d.com/news-story/rocket-lake-s-8-core16-thread-processor-engineering-sample-spotted-in-3dmark.html

初期ES品とは言え、FireStrikeの方はスコアが妥当な感じがしますが、Time Spyの方はちゃんと機能していない感じがします。

◇6コア12スレッドのES品のベンチマーク
6C/12T 3.5GHz base/4GHz max

Intel-Rocket-Lake-S-6-Core-12-Thread-Desktop-CPU-Leak-1024x973.jpg

出回っているES品のベンチマークによって、6コア12スレッドでは、ベース3.5GHzに達していて、8コア16スレッドも存在している事が分かります。TigerLakeはクロックが伸びにくい10nmプロセスを使っていますが、RocketLake-Sはクロックが伸び易い14nmを使っていますので、CPUアーキテクチャーが大幅に変更されていますが、概ねCoffeeLake Rぐらいまではクロック周波数を伸ばしてくる可能性は高いでしょう。

◇Rocket Lake-Sの内蔵GPUのSiSoftware Offcial Live Rankerからスペックが読み取れる
https://ranker.sisoftware.co.uk/show_system.php?q=cea598ab93a49dab9cbadde0c6b489afc6fbddb588aed6ebcda8cdf0c0e695a890&l=en
https://ranker.sisoftware.co.uk/show_run.php?q=c2ffccffd9b8d9e4d6e1d0e7c1b38ebe98fd98a595b3c0fdc5&l=en

Rocket Lake-Sのベンチマーク情報は以下で追いかけると良いでしょう
https://hardwareleaks.com/intel-rocket-lake-leaks/
posted by takatan at 03:30| 大阪 | PC and Phone | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月14日

Foveros・Xe・Cove系アーキテクチャーを製品に導入した経緯から考えられるインテルの将来発売されるデスクトッププロセッサ

2020年からやっとインテルの新しい技術が次々と導入された製品が発表されました。
◇Intel、3D積層技術Foveros採用の「Lakefield」を発表
https://eetimes.jp/ee/articles/2006/11/news100.html

◇Intel、10nm+のTiger LakeとXeアーキテクチャの単体GPU「DG1」を実機デモ
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/event/1227942.html

◇Intel、次世代CPUアーキテクチャ「Sunny Cove」の概要を明らかに
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1158093.html

上記の記事は、いずれも現時点では、モバイル分野向けの技術ですが、第11世代Core iシリーズのデスクトップ版であるRocketLake以降で、何らかの形でこれらの技術が導入されていくと考えられます。

◇Intel "Rocket Lake-S" a Multi-Chip Module of 14nm Core and 10nm Uncore Dies?
https://www.techpowerup.com/268370/intel-rocket-lake-s-a-multi-chip-module-of-14nm-core-and-10nm-uncore-dies

RocketLake-Sでは、今までの構成とは違って、CPUダイと内蔵GPUを含めたI/Oダイを繋げる方式になると、VLSI技術者のchiakokhuaが予測しています。第三世代RyzenでのMulti-chip-module構成をかなり早い段階で予測していますので、可能性は高いと思います。
chiakokhuaが予測しているRocketLake-Sの構造は、リングパスで接続されているWillowCoveアーキテクチャーのCPUコアを搭載した14nmのSystem agentと、新内蔵GPU「Xe」とI/O関連の機能を詰め込んだ10nmダイをEMBIで接続するというものです。


AlderLakeでは、8コアのCove系コアと8コアのTremont系コアがbig.LITTLEで構築されるとされています。これを実現するには、インテルの新しい3D積層技術「Foveros」が使われる可能性は高いでしょう。先頃発表された新しいモバイルSoC「Lakefield」には、Foverosを使って、1個のSunny Coveコアと4個のTremontコアのヘテロジニアス構造になっています。この構造のプロセッサの性能を発揮させるには、OSのスケジューラーが対応している必要がありますが、恐らくWindowsやLinuxは最適化させてくると考えられます。
先日、AMDのプロセッサのシステムバス「HyperTransport」「Infinity Fabric」などのシステムバスを設計したジム・ケラーがインテルを退社しましたが、Foverosを実現するにはシステムバスの新規設計が必要になるので、ジム・ケラーはこれの設計に関わっていたと思われます。そして、AlderLake世代からデスクトップでbig.LITTLEの構造を導入しますが、これにFoverosを導入する可能性は十分にあるでしょう。
最近発表された「WillowCove」「Foveros」「Xe」の3つのインテルの新技術が、将来のインテルのデスクトッププロセッサの鍵を握っているのは間違い無さそうです。

ここで思ったのは、2017年にRyzenが発売されてから、AMDとインテルの双方のCPUアーキテクチャーの思想がガラッと真逆になっているなあという事です。AMD FX/Aシリーズの時は、AMDの方がGPGPUやヘテロジニアス化に力を入れていたのが、Zen2に導入したTAGE分岐予測は、既にインテルがHaswell世代から導入している予測技術で、これを使ってZen2のIPCを飛躍的に向上させています。一方で、インテルはIceLake世代からGPU性能を大幅に強化し、Foverosを使ってヘテロジニアス構造を実現し、GPGPU性能を上げる方向性に持っていっているように感じます。
インテルとAMDの双方がやりたかった事をお互いが実現しているという点は面白い現象だなと思います。

◇AMD Zen 2 CPUコアの物理的な姿が明らかに
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/1237830.html
posted by takatan at 22:10| 大阪 ☔| PC and Phone | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月12日

いよいよお披露目されたPlayStation5

ソニー・インタラクティブエンタテインメントから発売される予定の次世代家庭用ゲーム機「プレイステーション5」が2020年6月12日未明に公開されました。この映像を生配信で観ていましたが、ハイエンドゲーミングPC顔負けですね(^_^;)

◇PlayStationR5に関する映像イベントの全容をご紹介
https://blog.ja.playstation.com/2020/06/12/20200612-ps5showrecap/


PS5のデザインは流線形であり、かなり現代的なものになっています。スペックは、AMDのZen2アーキテクチャーベースのカスタムチップを搭載し、4K Ultra HD Blu-rayを搭載したモデルとディスクレスモデルの2モデル展開になっています。

ローンチタイトルは海外メーカーが多いですが、ヒットマンIIIやホライズンの新作、バイオハザード8やなど人気作の続編の映像が公開されていました。また、カプコンの完全新作「プラグマタ」の映像も公開されています。これらのビッグタイトルの新作は、いずれもPS5らしい美しいグラフィックが印象的でした。

PS5 Hardware Reveal Trailer


Gran Turismo 7 - Announcement Trailer | PS5


Horizon Forbidden West - Announcement Trailer | PS5


Marvel's Spider-Man: Miles Morales - Announcement Trailer | PS5


Resident Evil Village - Announcement Trailer | PS5


Pragmata - Announcement Trailer | PS5
posted by takatan at 14:35| 大阪 ☁| PC and Phone | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする